5冊目の本紹介は2016年の第155回芥川賞受賞作である村田沙耶香さんの『コンビニ人間』です!
出版社:文藝春秋
発売日:2016年7月27日(単行本)
幼少時代のエピソード
この作品の一つの大きな主題は現代の「普通」というものへの問題提起ですよね
最初の方に主人公の幼少時代のエピソードが出てきて
「普通」ではない思考や行動をしてしまい何が悪いのかわからないが
両親が自分の言動や行動で悲しむところは見たくないので
小学生、中学生時代は出来るだけ余計なことを話さないように過ごすようになる
という場面があるのですが
ここのあたりから重い話題だなと思い始めました。
「普通」とは
その後は「コンビニ」という世界の中で「店員」という立場になり「やるべきこと」を与えられて
「初めて、世界の部品になることができたのだった」
と自分の生きる道を見つけ、ある意味で生き生きとした生活を送っていくのですが
婚活目的の白羽という男性が主人公の働くコンビニへ入ってきてから
主人公の安定していた生活が変わっていきます。
白羽という人物は正直うーんと思わされるような人なんですが
この人の発言や主人公がこの人と関わっていく中で
どんどん現代の「普通」というものへの問題提起が出てきます😎
まとめ
幼少時代の話を読んでいるときは僕も「普通」というものを求めてしまっているのか
主人公の言動や思考にえっと思ってしまいましたが
読み進めていくうちに話に引き込まれていき主人公の目線になってみると
よく言う「普通」ってなんなんだろうか
現代は「普通」でない限り生きづらい世の中だな…
といろいろと考えさせられました
ここまで「普通」と言うものを考えさせられる作品はなかなかないと思いますし
主人公と白羽、「普通の人」を演じる周りの人とのストーリーに最後の最後まで目が離せないような作品だったので
芥川賞受賞作なので有名な本だと思いますが、読んだことがない方は是非読んでみていただきたいです!
とにかく語彙が少なすぎる僕だとこの本の良さを伝えきれないので
一度手にとって読む人それぞれでいろいろと感じてほしい一冊ですね!
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